住生活の民具 - 鹿児島民具学会笠沙町中央公民館収蔵民具調査「笠沙の民具図録」 | 鹿児島の民俗 - 薩摩民俗HOME

住生活の民具

住生活の個別民具解説

ユタンポ(湯たんぽ)

おゆのねつで足などをあたためるもの

中にお湯を注ぎ,布で包んで布団の中に入れ,足や腰を暖める。『笠沙町の民具』によれば,布は昔は保温性の高いネルを利用したという。この湯たんぽは陶器製で,白地に青く花(花菖蒲か?)の絵柄がつけてある。収蔵されていないが,本来は穴の部分に木のふたをした。

湯たんぽ

直径13cm,長さ24cm


ユタンポ(湯たんぽ)

中におゆを入れて,足をあたためるもの

中にお湯をそそいでふたをして,寝床に入れて使った暖房具。漢字では「湯湯婆」と書く。江戸時代に中国から日本に伝わったもの。この湯たんぽは陶器製だが,金属製や合成樹脂のものもあり,安全性が高いので最近見直されている。井上-013のものよりやや大きい。白地に青で花の絵柄を入れてある。ふたは収蔵されていない。

湯たんぽ

幅14cm,高さ14cm,長さ26.5cm


ユタンポ(湯たんぽ)

おゆを入れた,だんぼうぐ

お湯を注ぎふたをして使う暖房具。電気アンカのようなもので,布団の中に入れて足や腰を暖める。写真の湯たんぽは陶器製。こげ茶色で熱が伝わりやすいように表面が波型になっている。ふたも陶器で,大きさは直径3センチ。ふたにはパッキンがついている。

湯たんぽ

幅23cm,高さ9cm,長さ25cm


ユタンポ(湯たんぽ)

ふとんの中にいれて足をあたためるもの

中にお湯を入れて使う暖房具。布団に入れて足や腰を暖める。『笠沙町の民具』によれば,現在でも電気製品より安全なので,赤ちゃんなどには利用するという。写真のものは金属製だが,ほかに陶器製の湯たんぽもある。ふたも金属製で直径は3センチ,輪の部分は直径が4センチ。収蔵から月日が経ち,少しさびが付いている。

湯たんぽ

幅23cm,高さ10cm,長さ33cm


ヒバチ(火鉢)

すみ火で手をあたためたり,ゆをわかすもの

イロリと違い移動のできる暖房具。焼き物で作った丸いものもよく見かける。燃料の炭火を中に入れる。火鉢は手を温めるだけでなく,写真のようにゴトクという台をすえて,その上にカナジョカという昔のヤカンを置いてお湯をわかしたりもした。この火鉢は木製で上の縁が張り出しており,湯飲みなどを載せることができる。昭和2年に中村理髪館が購入したもの。

火鉢

高さ25cm,幅63cm,奥行き63cm


ゴトク(五徳)

ゆをわかすためにイロリや ひばちに入れる台

イロリや火鉢の中にいれ,湯わかし用の鉄びんなどを載せる。この五徳は鉄製で,足の部分の先端は平たくして外にそらしている。また,もう一方の上部は物が載せやすいように,内側にまげている。五徳を逆向きにして使う方法もある。大きさはさまざま。

五徳

高さ22cm,直径24cm


カベノドダイ(衝立)

風やひとめをふせぐための しきり板

イロリのそばなど室内に置く仕切り板。イロリの危険防止や風除け,防寒用。また,屋外から直接室内が見られないようにするためにも置かれた。この衝立は5枚の杉板でできている。土台部分は厚さ10センチのは堅い木材を使用している。素朴な作りだが,どっしりとした安定感がある。『笠沙町の民具』の報告によれば,明治年間に使用したものという。

ついたて

高さ84cm,幅96cm

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