半島文化2003年あとがき |鹿児島民俗ガイド < 南さつま半島文化HOME|
〔2003.6.23〕
<民俗情報のホームページづくり> 筆者は研究活動の一環として,2000年9月から,薩摩半島の民俗文化を紹介するホームページ「半島文化」を公開している。地方情報を発信するホームページに何が求められているのか,ここでは考えてみたい。
当初,研究者の閲覧を目的としていた。しかし制作者の意図に反し,研究者以外の見知らぬ鹿児島出身の方々から,励ましのメールを受けるようになる。子供向け検索サイトからのアクセスも多い。「碁石茶」や「日新公いろは歌」,「博物館リンク集」など体系的で個性的なページが人気がある。今後は,ビジターのための軽快でアクセスしやすいページと,リピーターや子供たちにも親しみやすい新鮮で動的なページを織り交ぜて,サイトを整備していきたい。
さて,市町村合併が進む中,地域の個性が失われることが心配されている。しかし,行政の境界が動くことが,伝承母体の崩壊に直接つながることなのだろうか。ホームページの公開をとおして,県外へ転出した人々のふるさとへの思いが,地元に暮らすもの以上に強いことにも気付かされた。
これまでのインターネット社会は,必ずしも利用者のためのものであったとは思えない。あるいはIT技術をもった者だけの世界だったのかもしれない。これからはホームページづくりをとおして,誰もが情報発信することのできる時代になる。そこではきれいなホームページは必要ない。個性のあるサイトが求められているのである。そのことを常に考えながら,鹿児島の半島文化を考え,ウエブサイト「半島文化」を成長させていきたいと思う。(鹿児島民具学会2003年5月例会口頭発表)