御鍵宗充
1 ウチガミ(内神)とは ― 南九州の農村で旧門(カド)や、旧士族によって祭られる神。ウッガンやウッドンとも呼ぶ。祭りは旧暦11月が中心。同族神的で集団の守り神としての性格が強い。
2 指宿地方のウチガミ
①開聞・仙田・下吉(旧御鍵)▽御鍵門…男性だけでモイドン的な神等に赤飯を供え祭るカンマツイの一環 ▽西川門…男性だけで注連縄を取り替えて祭る、順番に宿を回して直会。
②山川・鰻 ▽鰻門・福村門…集落外れの沢沿い山中に両門の祠が隣り合う、アラガミサマなのでどちらも密閉状態。
③指宿・西方・宮之前 ▽下川床門…神職による注連縄替えと神事。神棚用の小注連縄を各戸に配布。祠横にはタブの大木があった。
④指宿・池田・大迫 ▽宮園門…神体の紙衣を替える。
⑤頴娃・郡・志戸 ▽志戸門・吉原門…祠は元別々に山中にあり祭り以外なるべく関わらなかった。注連縄と神体の稲藁製の敷物を替え祭る。以前は神職による神事後、神前で直会。吉原門の神体は各家で祭っていたものを集めた。
3 南大隅地方のウチガミ(大根占・池田・安水) ― 安水門…シトギ・注連縄・シベ等を準備。センソ祭りの一環として神職をよびモイドン的なウチガミと水神等の神々、各家のセンソ棚を祭り直来。オッナ家には一族のウチガミ。
4 若干の考察 ― ウチガミの元はモイドン・モイヤマ的なものか。元は神前で直会(神と共食)をしていたか。各家で祭っていたウチガミは神棚化したか。与論島などで行われるシニグと関係はないか。
2026年3月例会 - 2026.3.8 鹿児島県歴史・美術センター黎明館