11月 内山田七不思議 加世田市内山田には地名伝説が,七不思議として伝えられる。| 加世田風物詩 < 南さつま半島文化|
内山田の団地に引っ越しました。団地も集落の一員です。さっそく立神川の草払い。以前はこのあたりでも,農作業や運搬用に馬や牛が飼われ,堤防の草も貴重な飼料となっていました。そのころは,地区ごとに草を刈ることのできる場所が決まっていて,手入れもしていたというお話を聞きました。私たちも新しい住民として,美しい景観と大切な自然をしっかり守っていきたいと思います。
さて,国道から内山田郵便局の方へ曲がる信号のそばに,大きな看板が立てられています。「内山田七不思議」です。数年前,地区公民館長さんの案内で,ぐるりと一回りしたことがあります。
まずはじめが立神川の上流にある陰陽石(いんようせき)。地元ではタッガンサア(立神様)と呼ばれる巨大な岩で,山伏が昔から修行した場所です。最近付近が整備され,自動車も入りやすくなりましたが,南側の茶畑から覗いて見るのも絶景です。
続いて鳴石(なるいし)。ちょっと入り口が分かりにくいのですが,東山集落から鉄山(てつやま)集落に抜ける道路から入ったところです。直径2メートルのこの岩は,打てば雨になると言われ,昔から雨乞いの岩として大切に祀られてきました。お殿様が気に入って持ち帰ったところ,岩が山へ帰りたいと泣いて,返してもらったとも伝えられています。今でも内山田上地区の3集落が,お伊勢講の当番と交替で,毎年8月第4日曜日にお祭りをしています。
この他に,日本神話に登場する竹屋ケ尾(たかやがお)の「へら竹山」,玉虫色の蛇がすむといわれる「玉虫野の岩」,むかし内山田一帯は海であって船をつないだという「船つなぎ石」の大岩,それに「川中島」の伝説を合わせて内山田七不思議になります。
あなたの地区にはどんな不思議がありますか。地名の直接的な意味だけでなく,どういう背景がこうした伝説を生み出したのか,身近な史跡をゆっくり散策してみたいものですね。ますますなぞは深まります。