12月 歳の市 - 加世田本町・万世の歳の市|加世田風物詩 < 南さつま半島文化|
本町(加世田校区ほんまち地区)の市は24日と25日。一昨年(1993)訪ねた時は,区画整理の途中で,40店ほどと少しさびしい歳の市でした。本町通りでは綿あめのほか,刃物や干物など,えびす通りでは苗木や竹細工,木製品などの露店が並んでいました。刃物は,高知の土佐山田から取り寄せて販売している店もありました。
一方万世(ばんせい校区)では,22日と23日が歳の市です。一昨年(1993)は2軒だけの出店でした。道路規制の問題もあるそうです。この万世の市も,昔は正月用品がすべてそろったといわれます。当時は大崎のお寺(万世校区大崎地区顕証寺)から,小松原のエビッサア(万世校区小松原地区エビス祠)まで露店が続いていました。数の子は大きなバラ(丸口箕)に山盛りで1斤2斤と売られ,ショケ,バラ,モロブタ,刃物,苗木のほか,はご板,ユントイヤ(初誕生祝いの矢)などもありました。荒物は阿多(薩摩半島金峰町阿多校区)や大浦(薩摩半島大浦町)からも出店があったといいます。
このほか加世田では,竹田神社の夏祭りにも賑やかな出店が並びます。昨年(1994)からは11月の加世田市文化祭で,かせだ風物テント村という市もはじまりました。手芸,寒らん,鎌,菓子,炊き込み御飯とバラエティーに富んだ品々が並びます。*2000年現在はないようです
市の楽しみの一つは,手作りの品を,作った人が売る。買う人はそのぬくもりを手に入れる,ということがあります。何でもすぐ手に入る時代だからこそ,そうしたコミュニケーションも大切にしたいものです。