*南さつま歴史街道 - 地図

南さつま市地図と地名

野間岳(のまだけ)

野間岳
長屋山上空から望んだ野間岳・笠沙・大浦方面


南さつま市笠沙町にある標高591メートルの山。

頂上からは嘴(くちばし)形の野間岬から東シナ海が一望できる。この山の形状を三国名勝図会では,「人肩の上に頭首あるに似たり」と表現している。まさにそのとおりで,吹上浜はもちろん,串木野方面からも,甑島からもこの特徴ある入道頭の山影が望める。

また,野間岳は古来から航海の目印にもされていたといわれる。航海神「媽祖」を「娘媽(ろうま)」と呼ぶことから,それが転訛して「野間(のま)」となったとも言われる。

8合目には野間神社があり,毎年2月20日の例大祭は賑わいを見せる。祭神は,天孫ニニギと妻コノハナサクヤシメ,その子3兄弟(ホスセリ・ホホデミ・ホデリ)。

登山道は,笠沙町椎木集落から車道で野間神社まで登り,そこから徒歩30分ほどで頂上へ付く。山野集落に,野間神社の「一の鳥居」がある。→地図


三国名勝図会 第27巻 薩摩国川辺郡加世田
…かかる巍然たる孤嶽なれば、毎年漢土の商舶、長崎に来る時は、洋中にて必ずこの嶽を認て、針路を取り、皇国の地に到り。その始め認め見し時は、酒を酌て賀をなすという。
 おおよそ高山は多く火起りて焚ることありといえども、この嶽古来火起これることなし。あるいは曰く、この嶽大古は、笠砂嶽といいしを、山上に娘媽(ろうま)神女を祀りしより、野間嶽と号す。娘媽と野間と音相近きがゆえなりといえり。
 山上の林木に躑躅(つつじ)樹多し。径り1尺許(ばかり)のものあり。花時雲に映す。山上に娘媽神社あり。

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このページの地図は国土地理院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用して作成しました。


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