鹿児島民具第31号 - 出水市特集号(2019.3刊行)
○会誌31号をお届けします。執筆者及び編集委員の皆さんにまずお礼申し上げます。
○編集子は4年ぶりの編集作業となりました。その間、本づくりの十分な引継ぎもできず、学会役員の皆様には大変ご迷惑を掛けました。申し訳ありません。
○平成15年刊行の会誌14号から27号までと合わせて、15冊目の編集になりました。初めて編集作業をするときに、下野敏見先生から「印刷所を育てる気持ちでやりなさい」とご指導いただきました。
○まず、中央学会の本づくりの規定・要綱を調べ、今の「鹿児島民具学会執筆要綱・投稿規程」を整えました。それから、編集や校正・DTPに関する入門書でイロハを学び、何とか印刷所とお話しできるレベルまでなりました。今回もお世話になっている朝日印刷さんで、お手伝いいただく印刷所は3か所目です。鹿児島トップレベルの印刷所とお付き合いできるのは、編集子には大変光栄です。
○鹿児島民具学会が目指しているのは、地方から発信する民具研究です。そして、会誌『鹿児島民具』が目指しているのは、日本に通用する(全国にきちんと評価していただける)会誌づくりです。
○そのために大切なのは、編集子の未熟な本づくりではなく、各論稿の成熟度です。会誌31号では、近年加わっていただいた会員の皆さんをはじめ、有形民俗の視点から素晴らしい論稿がそろいました。予定ページ数を超え、図版のカットをお願いした執筆者の皆さんには申し訳ありません。
○鹿児島民具学会では、1978年の発足以来40年間、民具に関する合宿共同調査を経て、年に1冊ずつですが、その成果を発表してきました。この歩みは、これからも続けていきたいものです。
○最後になりましたが、今回の民具共同調査にご協力いただきました出水市・出水市教育委員会をはじめ、各集落の伝承者・関係者の皆様に、改めて会員一同お礼申し上げます。
○編集子は今回の調査には参加できませんでしたが、出水麓の取り組みには、何度訪れても頭が下がります。歴史的な町並みなのに「いつも新鮮」。その町並みで暮らしている皆さんが「活き活き」。それを発信する市民の皆さんに「ほれぼれ」です。うちの町も出水みたいになったらいいのになあ…。
(井上賢一)