鹿児島民具学会トップページ

鹿児島民具第33号

●序文 『鹿児島民具』第33号の刊行に寄せて

――民具学はモノを中心に研究する学問である。そのモノは、日常近辺にあふれ、ころがるモノだ。それをどのように捕え、どのように見るか、ということである。(下野敏見)

 下野敏見名誉会長が、2022(令和4)年3月10日永眠されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。冒頭の文章は、遺稿となった本誌掲載稿の一節です。

 さて、昨年7月の総会書面審議により、森田清美会長の後任に、不肖私が選ばれました。森田会長にはコロナ禍の困難な状況にあって、学会運営ありがとうございました。

 私は、1991年に本会に入会し、翌年から10年間は会計係として、その後10年間は事務局を任され、下野先生のご指導のもと、例会運営、共同調査の実施、会誌の編集を担いました。2013年からは未熟ながら幹事・副会長として森田会長の学会運営を補佐し、この度会長に就任した次第です。

 しかしながら、引き続きのコロナ禍です。新型コロナウイルス感染拡大予防対策を十分図るとともに、「今できる活動」の再開に取り組もう――まずは、会誌発行から。今号の本づくりは、ミュージアム知覧の折田裕斗さんを中心にした新しい編集部に、取り組んでいただきました。編集委員会も開催できず、手探りの中での会誌づくりだったことと思います。本当にありがとうございました。貴重な論稿・調査レポートをお寄せいただいた執筆者の皆様にもお礼申し上げます。

 また、小島摩文副会長をはじめ、新役員・事務局の皆さんにも、例会が定期開催できない中、学会運営を担っていただき、心よりお礼申し上げます。

 下野民具学を継ぎ、有形文化をとおして鹿児島の地域文化を探究する活動を、これからも会員の皆さんとともに続けていきたいと思います。下野先生から学んだこと、先生の思い出は、ここへは書ききれません。会誌次号は下野敏見先生追悼号とする計画です。会員の皆様からのたくさんの投稿をお待ちしています。

(鹿児島民具学会会長 井上賢一)

会誌『鹿児島民具』


例会案内会誌「鹿児島民具」これまでの活動会則リンク - 鹿児島民具学会