鹿児島民具第34号
先生が亡くなって一年が過ぎました。この一年、先生のいない中、会員一同手探りの学会活動を続けてきました。
会誌第34号は、下野敏見先生追悼号です。たくさんの追悼文が寄せられました。皆さんに愛された先生が偲ばれます。ご投稿いただいた皆様、そして編集部にお礼申し上げます。
本号では、2017年に神奈川大学常民文化研究所の佐野健治先生が聞き取りされた、下野敏見先生へのインタビュー記事を掲載しました。インタビューの翌年『民具マンスリー』に写真付き八頁の記事が掲載されたおり、嬉しそうに(少し恥ずかしそうに)、先生が会員の皆さんに配られていた姿が思い出されます。掲載を快諾いただきました佐野健治先生、構成の労をとっていただいた小島摩文副会長に深謝申し上げます。
再構成された今号の記事を読みだすと、下野先生の声色、言い回しが、よみがえってきます。時々奥様の合いの手も入り、実になつかしい、ほのぼのとしたインタビューです。
このインタビューの中で、鹿児島民具学会会長として力を入れてきた点として、先生は「常に若い方を入れて育てる、これを常に第一目標としてきた」と述べられていました。
下野先生のご指導に報いることができるよう、少しでも先生の研究境地に近づけるよう、会員一同努力を続け、後進の人材育成にも努めていきたいと思います。
先生、長いあいだ本当に有難うございました。
(鹿児島民具学会会長 井上賢一)