*南さつま歴史街道 - 名勝図会

三国名勝図会
第26巻 薩摩国川辺郡 (2)

薩摩国川辺郡 坊泊

坊津港の現景


史料 注・固有名詞

6 産物

6-1

蔬菜類

鶏脚菜(トサカノリ) △石花菜 △青海苔〔方言〕 △柳海苔〔方言〕 △坊海苔〔方言〕 △青海松 △蕃藷 皇国に蕃藷を植ゆるは、本藩を始とす。本藩に蕃藷あるは、慶長の末、海外の商船、齎し来て植えしより、流播すといふ。其説山川の巻、利右衛門条下に詳なり。

○石花菜(せっかさい):テングサ
○海松(みる):海産の緑藻。アオサ藻綱ミル目の一種
○蕃藷:甘藷。サツマイモ
○齎し(もたらし)
○山川:今の指宿市山川
○利右衛門:前田利右衛門

26-37a

6-2

花卉類

松葉蘭 △海羅

○卉:草
○海羅:ふのり

26-37b

6-3

樹木類

楮 △黄櫨

○楮(こうぞ)
○黄櫨(はぜ)

6-4

飛禽類

鷹 御崎に産す

【御崎】坊の岬

6-5

走獣類

猿 △海獺〔坊津港の下に詳なり。〕

○海獺・海驢:アシカ
坊津港

6-6

鱗介類

当邑の海上、多く鱗介を産す。故に土人漁釣を業とす。 △鉛錘魚(カツヲ) △鉛錘魚[1](カツヲフシ) △[2] △鯖 △[3] 以上の諸魚最多く産す。 △勒魚(クマヒキ) △[4](メチカ) △鯖 △烏賊 △[5](アラ) △藻魚〔方言〕△ 鳥頬(クロタイ)〔一名[6]〕 △竜蝦 △鯔 △[7] △鯵 △鱸 △梭魚 △松鯛〔方言〕 △棘[8] △蛤貝諸種〔貝類甚多く産す。〕

[1]?(にく月に昔)
[2]?(魚へんに連):鰤(ぶり)
[3]?(魚へんに室):ムロアジ
[4](魚へんに君):メヂカ
[5](魚へんに敏):アラ
[6](魚へんに尨):チヌ
○竜蝦(イセエビ)
○鯔(ボラ)
[7]?(魚へんに完):アメノウオ、アマゴ
○鱸(スズキ)
○梭魚(カマス)
[8]?(髟に下に鼠)

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