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碁石茶の製法は,1.茶摘み→2.蒸す→3.寝かす→4.漬け込む→5.断つ→6.乾す→7.俵詰めという工程で作られます。莚(むしろ)の中で好気性カビによって発酵させる(寝かす)作業と,漬け桶の中で嫌気性バクテリアによって発酵させる漬けこみ作業がポイントとなっています。つまり,強制発酵を2種類もするわけです。
工程 | 日程 | 場所 | 現在の使用民具 ○現在も使う民具 ●以前は使わなかった民具 |
以前の使用民具 ○今も使う民具 ■今は使用しない民具 |
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@茶摘み | 摘む (採取運搬) |
3〜4日 | 茶畑(元は畦畔) | ●鎌 (鎌で枝ごと刈る) ○籠 (枝を束ねて籠に入れもって帰る) |
■手に巻く布(手で摘む) ○籠(葉を持って帰る) |
A蒸す | 蒸す (蒸熱) |
1日 | 庭先 | ○蒸し桶 (直径90深さ120) ○すのこ (蒸し桶の底に敷く) ○竹の芯 (蒸気抜けの穴をつける) ○莚 (蓋にする) ○大釜 (湯を沸かす) ○くど (屋外) ○たご桶 (漬け込みに使う茶汁を取っておく) |
○蒸し桶 ○すのこ ○竹の芯 ○莚 ○大釜 ○くど ○たご桶 |
運ぶ (運搬) |
庭先→土間 | ●大型の天秤(吊り上げる) ●台車 (屋内へ運ぶ) |
■綱(蒸し桶にかける) ■担い棒(竹製。綱をかけて担ぐ) |
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冷ます (冷却) |
土間 | 道具なし (束ねた枝を持ち,手でふって冷ます) | ■莚(広げて冷ます) ■鎌(熱いので鎌で掻く) |
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B寝かす | 広げる (発酵準備) |
土間 | ○敷き莚 ○掛け莚 |
○敷き莚 ○掛け莚 |
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広げ置く (酵母発酵) |
4〜5日 | ||||
踏む (発酵停止) |
1〜2日 | ||||
冷ます (冷却) |
○敷き莚 (掛け莚を取り除き,冷ます) | ○敷き莚 | |||
C漬け込む | 漬け込む (発酵準備) |
1日 | 庭先 | ○漬け桶 (大きさは蒸し桶と同じ) ○たご桶 (茶汁を取っておいたもの) ○ひしゃく(茶汁を茶葉に掛ける) ○蓋 (漬け桶に被せる木製の内蓋) ○重し石 (重さは茶葉と同じ重さ―約40貫150kg) |
○漬け桶 ○たご桶 ○ひしゃく ○蓋 ○重し石 |
漬け置く (乳酸発酵) |
10日〜2週間 | ||||
D断つ | 切り出す (荒切り) |
1日 | 庭先 | ○タチ包丁(長さ1m。桶の中に刺し込む) ○ジョウギ(断ち包丁にあてがう。目盛りなし。木製) ○鎌 (ブロック状の茶を鎌で掛けて取り出す) |
○タチ包丁 ○ジョウギ ○鎌 |
切り裂く (裁断) |
土間 | ○切り台 (まな板) ○茶切包丁(1寸角に切る) |
○切り台 ○茶切り包丁 |
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漬け置く (保存) |
晴天まで | 土間 | ○一斗桶 (粘りをつけ,角を取るため,茶を踏み揉む) ○漬け桶 (晴天までの保存) |
○一斗桶 ○漬け桶 |
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E乾す | 乾す (乾燥) |
3日 | 庭先 | ○莚 (天日乾燥) | ○莚 |
休ます (除湿) |
1日 | 土間 | ●シート (土間で除湿) | ■莚 | |
乾す (仕上乾燥) |
1日 | 庭先 | ○莚 (天日乾燥) | ○莚 | |
F俵詰め | 俵を作る (茶俵製作) |
前もって | 土間 | (今は既製品の袋を使う) | ■莚(12貫=45kgの茶俵を作る) ■藁縄(俵状にした筵を縛る) |
詰める (梱包) |
1日 | 土間 | ●茶袋 (既製品10貫=37.5kg詰め) | ■茶俵(「茶丸」という) |
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