碁石茶の作り方・使い方 1はじめに・2製法・3民具・4写真・5茶粥・販売 |碁石茶トップ - 鹿児島の民俗 - 薩摩民俗HOME|
●調査日 1990年6月〜1990年12月
●調査地 高知県四国山中長岡郡大豊町東梶ケ内(ながおか・おおとよ・ひがしかじがうち)
●初出 鹿児島民具学会1999年7月3日例会口頭発表稿(原題「碁石茶の伝承」)。未発表資料 Web書き下ろし。 (のち、鹿児島民具21号所収)
鹿児島民具学会会員 井上賢一
cf.
〔拙文 2009年〕:「碁石茶の作り方・使い方 - 四国山中大豊町の茶加工民具 -」 『鹿児島民具』21号所収 鹿児島民具学会 56-62頁。
〔拙文 2011年〕:「碁石茶の製茶法と利用法」 『土佐民俗』93号所収 土佐民俗学会 25-34頁。
〔拙文 2015年〕:「碁石茶製造民具の変容」 『民具研究』152号所収(第39回日本民具学会高知大会:研究発表) 日本民具学会 73-76頁。
■碁石茶写真集
1.はじめに - 碁石茶とは -
2.碁石茶の作り方1 - 碁石茶製造の新旧工程表 -
3.碁石茶の作り方2 - 碁石茶製造民具の変容表 -
4.碁石茶の使い方 - 流通・販売/特色・用途 -
5.まとめ - 民具の変容/作るむらと使うむら -
碁石茶という四国山中で作られる発酵茶についてお話をさせていただきます。約10年ほど前,私が高知大学の学生時代に調査したものです。
碁石茶については,地元の高橋克夫さんや村上徹さん,さらに東京の香月洋一郎さんなどがレポートを出されています。
高知県大豊町に伝わる碁石茶は,中国のプアール茶と同じように発酵させて,団茶のように固めたお茶です。日本にはこうした伝統的な発酵茶は阿波番茶・石鎚黒茶・富山ばたばた茶などがあります。ウーロン茶はお茶の葉を自然に発酵させるのですが,碁石茶は漬物のようにして強制的に発酵させます。
さて今日は,その碁石茶について私の調査・研究した次の2つを視点として報告をさせていただきます。
まず,@発酵させて固形状に加工するという技術について,それからA四国山地で作られるこのお茶が,地元では消費されず瀬戸内海で船乗りが茶粥に使うという習俗について考えてみたいと思います。
[碁石茶の製造]→