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例会研究発表要旨

2004年度鹿児島民具学会例会

■志布志・枇榔島のトウチクについて

那加野久廣

 日南海岸国定公園の要である枇榔島は、志布志湾のほぼ中央にあり、周囲約四粁米の南北に延びた無人島である。全島に枇榔樹を中心とする亜熱帯性植物群落が繁茂している希有の原生林の宝庫であり、昭和31年、全島が国の特別天然記念物に指定されている。
 島の地質は、新生代初期の砂岩・頁岩・砂岩互層からなる日南層群である。島を巡る海岸線は、日南奇岩と純白の白砂となり、紺碧の海が際立っており、海水浴や植物鑑賞など楽しむことができる。
 島の山腹には、和銅年間創建と伝える枇榔神社が鎮座している。神社前には、宝永元年(1704)建立の2台角石塔が安置されている。
 この枇榔島に、植生していなかった中国原産の「トウチク」が生育し始めた。トウチクは、自生種ではなく、何故トウチクが芽生えたか、その原因がはっきりしない。
 従って、幾つかの原因が想定されるので、自然の多様化や学術的な究明が要請されていること等を踏まえ、区域、面積などを定めて保護管理することが当面の処置と思料される。

2005年1月例会 - 2005.1.8 かごしま県民交流センター

那加野久廣「志布志・枇榔島のトウチクについて」

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