渡山恵子
アタタンコ(阿多の樽・桶)、シラカワショケヅクイ(白川のショケ作り)、タッセコビッ(田布施の木挽き)、イザクカンスッ(伊作の紙漉)。これは、旧日置郡一帯の地域技術職をしめす言葉である。
竹細工が盛んな南薩地方にあって、白川のショケヅクイと称された白川では、『修行』と呼ばれる徒弟制度と『旅』と呼ばれる出稼ぎ型集団政策販売がシステム化されていた。
81歳になる元竹細工職人と伊作で竹細工をしている永倉さんの体験からわかったことは、『修行』『旅』は単なる技術の伝承だけでなく、地域の生業を守るための制御装置になっていた。
2007年7月例会 - 2007.7.7 かごしま県民交流センター