橋口尚武
志布志市から串間市・南郷町・日南市へと一泊泊りの取材を行った。主な目的は志布志市金剛寺山門のアマノジャクの撮影、さらに串間市法泉寺の仁王、同市内各町の棟石の調査、南郷町では榎原神社で二カ所に及ぶ龍(青龍と白龍を含む)、同社の仁王門のなかに明治になってから作成された仁王(赤目と青目)があってそれを撮影、外ノ浦とその隣の贄波集落でのコンクリート製の棟石の調査を実施した。
日南市でははじめに風田集落の砂岩製の仁王の取材をしたが、砂岩製の仁王は種子島にもありこれで二例目となった。その銘文によると修験僧が彫ったもので、日向の仁王像の大部分がそうだと分かったのは何よりも貴重な確認となった。
伊豆からきて日向南部に勢力を張った伊東氏墓地では、二代祐慶の層塔二段目に龍、三代祐久の二段目に天女、四代目祐由の二段目に鳳凰が刻ってあるのを発見し、それは加治木の伺堂型墓石に龍が描かれ、菱刈町の神社の龍灯籠の土台に天女が彫られていたのを知っていたからであった。さらにその境内に建てられた五百●神社(伊東氏五百年をまつる)の陽刻の龍の撮影を行った。
宮崎県内でもかなり多くの仁王・龍の取材ができると考えている。今後に期待したい。
●印…示偏に巽
2007年7月例会 - 2007.7.7 かごしま県民交流センター