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例会研究発表要旨

2007年度鹿児島民具学会例会

■西表島節祭調査に参加して

井上賢一

 2007年10月31日から11月4日までの5日間、鹿児島民具学会西表島節祭調査に参加した。研究発表では、スライドとビデオを用いて、祖納地区節祭の構造を報告した。

 祖納の節祭は、農耕歴の正月に相当する行事。ニライカナイ(浄土)からミリク(弥勒)神を浜に招き、様々な芸能を披露して、豊作の感謝と来年の豊作を願う。ユークイ(世乞い)行事の一種。背景にある地域の歴史や社会構造の奥深さが感じられる祭りであった。主な内容は次のとおり。

【1日目―今年は11月1日】
○大晦日にあたり、家々での祭り(節蔓・浜小石撒き)。
○公民館で大仕組(総仕上げの練習。リハーサル)。

【2日目―11月2日】
 浜を特設会場の「船元の御座」として、ミルクを招き、芸能を披露する。以下の習俗のほか、パチカイ(早使い―ハーレー到着の報告)や棒術、獅子舞なども見られる。
①ミリク入場
②船くい(船漕ぎ)
③婦人アンガア(巻踊り)
④男子アンガア(巻踊り)
⑤ミリク退場

【3日目―11月3日】
○大平井戸(ウヒラカー)での祭り。
○夜にトゥドゥミ(止留―仕上げ)行事。

2007年11月例会 - 2007.11.10 鹿児島市中央公民館

伊達廣隆「自然分娩の取りあげ体験と産婆の使用機器類など」
井上賢一「西表島節祭調査に参加して」

鹿児島民具学会の歩みと活動 < 2007年度


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