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例会研究発表要旨

2009年度鹿児島民具学会例会

■八重山群島のドンソン文化と仏教文化

徳留秋輝

 西表島の祖納の節祭(しち)は、厳粛な神行事で、来年の五穀豊穣と地域住民の健康と、地域の繁栄を祈り感謝する祭りである。

 ミリクは、太陽神と弥勒菩薩の習合と思われる。手に持つ団扇の中央の赤丸は太陽を、黄色い衣装は、太陽の光を表現していると思われる。

 前日に、舟を浄める為に船首にアダンの木を供える。競争ではなく儀式である。本格的に漕ぐ前に、櫂を立ててから水平にする動作を数回繰り返す。これは鳥が羽ばたく動作と思われる。船浮集落のユークイ(舟くい)儀式でも同じ動作が新聞の記事から確認されているから、ユークイ(舟くい)儀式が行われる全ての集落でこの動作をすると想定される。

 白衣は白鳥(しらとり)をイメージしていると思われる。古い時代は、白い羽毛の付いたものを被っていたと思われる。石寨山文化における鳥装の水人を中国考古学者は羽人と呼んでいる。彼らは羽人と思われる。

 四つ幡は儀式の時に使った弔旗である。「佛所行無情」・「法是生滅法」・「僧生滅滅己」・「寶寂滅為樂」。
 八重山群島で龕を使用したのは大正の初め頃で、仏式葬となったという。
 葬列では、①四つ幡を持った人、②白の蓮花一対(蓮花は造花)、③龍頭の天蓋旗、④龕。天蓋旗の中段に四羽の白鳥が配置してある。供養は、男は白衣を着け、女は白の風呂敷を頭に被って出席した。

2009年7月例会 - 2009.7.4 鹿児島市鴨池公民館

橋口尚武「南九州の石の龍について」
徳留秋輝「八重山群島のドンソン文化と仏教文化」

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