徳留秋輝
私の手元に四種類の傭がある。三種類は、民族衣装で民族楽器を奏でる女子楽団。内訳は、三体の中国加彩女子楽団、七体からなる黄金製のインドの女子楽団、六体からなる唐三彩の女子楽団、一体は唐三彩の舞女である。
特に注目したいのは、インドの女子楽団である。黄金製であるから、細部まで表現している点である。胴を上に、棹を下にした三弦の楽器を奏でている女子楽人がある。撥ではないから、義甲で爪弾いていると思われる。三弦の楽器はインドが起源ではないかと思われる。また、体に動きがあり、ヒンズー教のシバ神像に非常に共通している。中国の加彩女子楽団は三体であるが、かっては六体はあったものと思われる。唐三彩の舞女は袖の動きから、激しい踊りが想定される。
長安の都にはかなりのインド人も居住し、ヒンズー教の寺院もあったと思われる。中インドには多くの中国の修行僧が往来していたと想定されるから、彼女等の出身地は中インドではなかろうか。気になることは、再び故郷の地を踏む日があったのだろうか。
2010年7月例会 - 2010.7.3 鹿児島市中央公民館