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例会研究発表要旨

2010年度鹿児島民具学会例会

■沖永良部島の民具

下野敏見

 昭和53(1978)年に訪ねた沖永良部島知名町の田皆岬郷土民具館は面白かった。館長の白川島秋氏(大正4年生まれ)の夫人ヨシさん(大正5年生まれ)から詳しく説明してもらった。

 まず、①ウージョ(沖縄ではウンジョウ。裂織)を見る。袖無の仕事着であるが、縁布(ふちぬの)を付けて丈夫で美しい。②ヒジキ(梭)。織物に使う道具で、機織り用とウージョ織り用は違う。

 ③バシャギン(芭蕉布)は涼しそうであるが、ヨシさんが着て見せてくれた。④長機(ながはた)―機には地機、長機、高機の三種があるが、ヨシさんは長機織りを実演してくださった。⑤ヒショウ―これは、ひょうたん壺のことで、ヒーショともいう。お茶の葉を入れた。お茶の葉を少し入れ、お湯を注いで、水筒代わりにも使ったという。

 ⑥ムンギャラ(麦わら)笠―女が夏に被る笠で、涼しそう。これに対して、男が被る⑦チュク(棕梠)笠もある。なお、⑧ファバ(蒲葵・くば)笠もあるが、これは雨天に用いる。もう一つ、⑨デー(竹)笠もある。これは竹の皮で作った笠。沖永良部島の笠はいろいろあるものだ。

2011年1月例会 - 2011.1.8 鹿児島市中央公民館

徳留秋輝「汝官窯の奩形香炉発見される」
下野敏見「沖永良部島の民具」

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