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例会研究発表要旨

2011年度鹿児島民具学会例会

■カマスとシイラの話

小川三郎

 甑島近海ではほとんどカマスとシイラの漁獲が見られなくなっている。昭和初期の頃から三十年代の頃まで、このカマスとシイラの干物を水産加工販売する、家業に従事した。その体験とともに、取引先できかされた話を、話題として遺すことを目的とした。

 過去を掘り起こすことも人と人との歴史的背景となる伝承された漁法等を知るきっかけとなった。カマスもシイラも、ともに雑魚扱いされている。

 老境は日増しに薄れゆく記憶があいまいとなり、誤りのない史実を何とかとどめておきたいと願い、甑的漁労の風物詩を紹介したい。初春から晩秋にかけての魚食文化にどのような役割を果たしてきたか? 民具学会にはふさわしくはないかも知れないが、伝統的漁撈が中断されてしまったのでとりあげた次第である。

 ハワイではシイラが高級食材として人気のあるという情報も伝えられている。

※原文の魚名は漢字…カマスは魚へんに師のつくり、とシイラは魚へんに署。

2011年11月例会 - 2011.11.11 鹿児島市中央公民館

小川三郎「カマスとシイラの話」

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