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例会研究発表要旨

2003年度鹿児島民具学会例会

■薩摩半島の古代の信仰と磐座について

徳留秋輝

①はじめに…「鹿児島民具学会誌 15号」で、薩摩半島の巨石文化の存在について、吹上町北湯之元の北裏山の神籠石、松本町春山の観音平の岩屋観音、日吉町山田下の観音山の岩屋観音について、北裏山の神籠石と観音平の岩屋観音の巨石記念物はドルメン、観音山の岩屋観音の巨石は磐座であると試みた。今回は、吹上町中之里の妙見神社の後方(北側)に存在する巨石群が古代は信仰の対象の磐座であったことを資料や伝承等から試みたい。また、吹上町の各地に信仰の対象として存在している巨石についても調査した。薩摩半島に生きた古代の人々の信仰に少しでも触れることができれば望外の喜びである。

②妙見神社と石聚神社…神社後方の巨石群と石聚神社の社名の由来

③イシノコンボ

④苙神(おろかみ)と野牧

⑤矢石

⑥奇岩「夫婦岩」

⑦おわりに…吹上は巨岩・巨石に恵まれた地である。これらに纏る伝説や伝承が各地に残されている。古代は、巨石文化が花開いたと想定され、これに関する遺跡も未だに数多く存在していると思われる。北裏山の神籠石は、真悟石とも書き又信仰石と云われていたことが最近判った。神籠石は信仰石が転訛したものと思われる。古代の巨石信仰が偲ばれる。

2003年7月例会 - 2003.7.5 かごしま県民交流センター

徳留秋輝「薩摩半島の古代の信仰と磐座について」
橋口尚武「伊豆諸島の漁労民俗Ⅰ」
牧島知子「与論島の高倉」

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