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例会研究発表要旨

2003年度鹿児島民具学会例会

■与論島の高倉

牧島知子

 奄美諸島の高倉は、屋根の形でどの島のものであるかほぼ区別がつくほど特徴がある。

 与論島の高倉が、他の島々のものと全く違う点は二つあり、一つは屋根の形が円錐形であること、もう一つは穀物倉庫になっている部分の壁である。この壁は他の島々の高倉の壁が板になっているのに対し、与論島の高倉はアジロ編みの壁である。

 しかし、このような特徴のある高倉もだんだん姿を消して、現在町文化財指定のもの一棟だけになってしまった。姿を消した一つの原因は材料のカヤや竹が少ない事と、近代的な建物に建て替えられ、不要となった高倉はとりこわされてしまったこと、もう一つはカヤぶき屋根の葺き替え職人がいなくなったことなどで、使用しながら保存していくことは不可能に近い状態になっていることである。

2003年7月例会 - 2003.7.5 かごしま県民交流センター

徳留秋輝「薩摩半島の古代の信仰と磐座について」
橋口尚武「伊豆諸島の漁労民俗Ⅰ」
牧島知子「与論島の高倉」

鹿児島民具学会の歩みと活動 < 2003年度


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