浜田 甫
蒲生町内に生育している竹類は27種類。蒲生八幡神社のスギ材内にはミヤコザサが群生している。竜ケ城磨崖の入口付近にはオカメザサ、メダケ、ヤダケ、マダケが見られる。蒲生どんの墓にはホウライチクとカンチクの見事な生垣があり、周りにメダケ、トウチク、カンザンチクがある。武家屋敷、犬馬場には藩政時代に防火用に植栽されたマダケとモウソウチクが残っている。
蒲生八幡神社の「福笹」はホテイチクの枝先に「家内安全」等の願いが込められた色紙がついている。蒲生町北集落の塞の瀬戸の道沿の「塞の神様」には、マダケ製の火吹竹を供え病気が治るよう祈願した。八月十五夜祭りにはホウライチク製の箕を臼の上に置き、果物や野菜などを供えて月見をした。12月1日と15日には祝水取りとして早朝に川に行き竹筒に水を汲み、竹葉を2枚重ねて滴を飛ばす風習があった。
平成22年にオープンした蒲生ふるさと交流館の一室には、蒲生町の中心地である上久徳の武家屋敷から収集された民具類が展示されている。歴史とロマンを知るために、今後は人気を呼ぶだろう。竹製民具は、糸車等15点が展示されている。
2011年9月例会 - 2011.9.3 鹿児島市中央公民館