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万之瀬川流域の農村水車カラクリ人形芝居

薩摩の水からくり水車からくり分布図万之瀬川流域の農村水車カラクリ人形芝居

民俗文化財調査事業報告書『薩摩の水からくり』295-315頁所収 調査報告

●発行:鹿児島県知覧町教育委員会文化財課

●発行日:1997.3.1

[目次]
1 はじめに
2 加世田市川畑の水車からくり
3 川辺町平山の水車からくり
4 知覧町西元のからくり
5 知覧町郡のからくり
6 知覧町東別府の水車からくり
7 結び
○ 水車からくり写真


1 はじめに

 鹿児島の夏を彩る風物詩に六月灯がある。六月灯は旧暦6月,旧鹿児島藩領内の神社や寺などで,さまざまな彩色をほどこした紙の灯籠をいくつも境内にともし,出店がにぎやかに並ぶ夏祭りである。今も各地の寺社で盛んに行われている。薩摩半島を流れる万之瀬川流域では,この六月灯にかつて水車カラクリ人形芝居がかけられた。

 万之瀬川は,鹿児島市に源を発し,加世田市の新川海岸に至る半島最大の2級河川である。途中,川辺町からは野崎川,神殿川,知覧町から麓川,永里川,金峰町から長谷川が流れだし,加世田市内で大谷川,加世田川を合わせて東シナ海の吹上浜へと出る。

 カラクリはこの万之瀬川の本・支流から引かれた農業用水路にかけられた。現在も加世田市武田にある竹田神社では7月23日の夏祭りで,また,知覧町郡の豊玉姫神社では7月9日の六月灯で上演され,県内から多数の見物客でにぎわう。さらに,吹上町湯之浦の温泉祭りでも見ることができる。竹田神社の人形は,等身大よりやや小さい武者人形が回り舞台の上を勇壮に回って観客を魅了する。一方豊玉姫神社のカラクリは,30〜60センチメートルの小型人形が,さまざまな技巧をこらした仕掛け舞台の上を,右から左に,左から右に,あるいは扇を投げ,刀を切り下ろす。あたかも人が舞台裏から操る人形劇を見ているようにおもしろい。

 ここでは,この三つの水車カラクリ以外の,今はないカラクリを紹介し,万之瀬川流域に続く農村カラクリ人形芝居の位置付けを明らかにしてみたい。

[図1 南さつまの水車からくり伝承地] 28.3KB
[図8 万之瀬川流域のカラクリ伝承地] 142.3KB 

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