内山田太鼓踊り

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「内山田太鼓踊り」基礎データ

内山田太鼓踊りは、藺草の桴をもって優雅に踊る念仏踊り系の太鼓踊りです。太鼓の音はほとんど聞こえず、鉦の音が厳かに響きます。

「内山田太鼓踊り」写真と解説

1.内山田太鼓踊りの概要

内山田太鼓踊り内山田太鼓踊りは、7月25日に、加世田内山田の近戸神社六月灯で奉納される。踊り子は、鉦2人・小太鼓2人の中打ちと、平太鼓(大太鼓。2011年は12名)で構成される。中打ちは、そろいの花笠に振袖姿。鉦は左手に鉦・右手に橦木を持つ。小太鼓は肩から胸の下に垂直に吊るした太鼓を、両手に持った桴で両側から叩く。平太鼓は白装束に鉢巻姿。背中に矢旗を背負い、太鼓は肩から腹の前に吊るす。矢旗は今はビニールテープを垂らしている。中打ちと平太鼓で二重の円陣を組む。歌い手は円陣の外から歌う。歌詞には、歌い出しが「高橋殿」「けさ(今朝)結た髪」の二つがある。

平太鼓の桴は藺草製で、長さは実測したものは長さ16センチ。もっとも太い部分は直径4.5センチ。藺草は、今は畳屋に頼んで古畳をほどいたものなどを使う。手元は凧糸ほどの紐で二か所を締め、先を伸ばして結び、下げ紐にしている。

平太鼓の音はほとんど聞こえず、鉦の音が厳かに響く。南さつま市内では、六月灯の夜祭りで奉納される太鼓踊りは、この内山田太鼓踊りだけだ。念仏踊りの一つと考えれば、祖先の霊を慰めるという目的を、よく伝えている、貴重な太鼓踊りと位置付けることができる。

2.内山田太鼓踊りの楽・歌詞

【演目】

  1. 内山田太鼓踊りの中打ちウッコン(打ち込み)
  2. シメデコ(締め太鼓)
  3. チンチョツコイ(囃子「チョイチョイ」)
  4. タンタンタタカン(囃子「サー、ドッコイ」)
  5. フタトッ(二つ跳び。囃子「ヨイヨイヨイ」)
  6. カンカンヅー(歌あり)
  7. ジャントウジャン(囃子「ジャントウ、ジャントウ、ジャントウ、ジャン」)
  8. タンタンタカタン(4と同じ)
  9. カンカンヅー(6と同じ)
  10. タンタンタカタン(4・8と同じ)
  11. ドッ(歌あり。囃子「ニッコイと笑え、よか嫁じょ」)
  12. ヂャヂョータカタン
  13. フタトッノクヅン(二つ跳びの崩し)
  14. ヒッグワ(引くが。囃子「ヨイサー、ヨイサー、ヨイヨイヨイサー」)
  15. ズンドズ

【歌詞】

○高橋殿の世が世の時は 黄金のますで米はかる

○けさ結た髪がパラリと解けた はよ結てたもれ姉じょさま

※演目・歌詞は、『加世田市史下巻』335-337頁を参考に、実地調査で補訂した。

3.内山田太鼓踊りの特徴と意義

  1. 内山田太鼓踊りの桴太鼓の音はほとんど聞こえず、鉦の音が厳かに響く。
  2. 大太鼓の桴は、藺草製で、太鼓を打つためではなく、採り物の一つとして手にしているに過ぎない。
  3. 六月灯という夜祭りにこの踊りが奉納されることは、念仏踊りに通じ、祖先の霊の慰めることを目的としていると考えられる。

→加世田の太鼓踊りの比較・検討は、「加世田の太鼓踊り」参照。

→参考「薩摩半島における太鼓踊りの桴(バチ)

「加世田の太鼓踊り」記録映像・記録画像

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内山田太鼓踊り
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〔実地調査〕
2005・2011・2012年の7.25
〔参考文献〕
編さん委員会編 1986年 『加世田市史・下巻』 鹿児島県加世田市

鹿児島祭りの森